fc2ブログ

フツーにサボっていましたよ( ^ω^)
SSは…土日以外は毎日書いてます。土日は休みます。何故ならネタがなくなるから。
…というのは半分冗談で、まあ、自宅作業人も休む日を作らなきゃだめだよね、ということでひとつ。
じゃないと、またオーバーワークでダウンしてしまう(;´Д`)

というわけで、久々のSSです。どぞー。



ss20160820.txt

今日は大好きなお兄ちゃんと一緒に、お母さんのおつかいです。
お気に入りのレインコートを着て、いざ出発。
さっきまでいっぱい降っていた雨はもう止んでいて、道に出来た水たまりに青いお空がうつってて、とってもキレイ。
「ぱしゃぱしゃー」
水たまりを、黄色い長靴でぱしゃぱしゃと飛び散らかせます。そうすると青いお空がぐにゅって曲がって、また新しいお空を作るんです。
「小春、あんまり遊んでると置いてくぞー」
「あ、まって、お兄ちゃんっ」
数歩先を行くお兄ちゃんの後ろにぺとっとくっつき、服の裾をきゅっと握ります。すると、お兄ちゃんは手を伸ばしてきて、服を掴んでいるわたしの手を、ぎゅっと握ってくれました。それだけで何だか元気が湧いてきて、わたしは思わず笑顔になってしまいます。
商店街でお買い物をして、おうちへの道を戻ります。荷物は重いので、お兄ちゃんが持ってくれました。
「なんか、また雨降りそうだな」
呟いて空を見上げるお兄ちゃん。つられてわたしもお空を見ます。
あれだけ青かったお空が、だんだん灰色になって、今にも泣きそうな顔をしています。
「急ぐぞ」
「うんっ」
余った片方の手で、わたしの左手を握って、ちょっと急ぎ足で帰り道を歩きます。だけど神様は意地悪で、わたしたちが家に着く前に、お空から水滴を落としました。最初はちょっとだった水滴が、どんどん大きさを増してわたしたちの身体を打ち付けます。
「ちょっと雨宿りするか」
バスの待合室に駆け込み、濡れた髪の毛をお兄ちゃんが優しくハンカチで拭いてくれました。
「あ……」
大好きなレインコートに、泥がついていました。きっと、通り過ぎる車が跳ねた跡だと思います。
「汚れちゃった……」
なんだか青い空を失くしたときのように、悲しい気持ちでわたしのこころがいっぱいになっちゃいました。お母さんが買ってくれた、お兄ちゃんが可愛いよって言ってくれた大好きなレインコートが汚れてしまったことは、わたしには耐えられないくらい悲しかったんです。
思わず目から、ぽろぽろと涙が溢れてきます。
「洗えばすぐに落ちるから」
「でもぉ……」
しゃくりあげていたら、困った顔をしたお兄ちゃんが、ポケットから何かを取り出してわたしの手にのせました。
「それでも舐めて、泣き止んで。小春が悲しいと、おれも悲しい」
それは大きな飴玉でした。
包みをほどいて口の中に入れれば、甘いぶどうの味が口いっぱいに広がります。「おいしい……」「帰ったらもっといっぱいあげるから、泣かないで一緒に帰ろう?」
もぐもぐと飴を舐めながら、わたしは大きくひとつ頷きました。
「そろそろ晴れてきたかな」
灰色だったお空の雲間から、青い色が覗いています。
「行こっか」
「うんっ」
わたしとお兄ちゃんは、仲良く手を繋いで家へと帰ります。大好きなお母さんと、お父さんと、お兄ちゃんと一緒にいられる場所へ。
スポンサーサイト



水瀬洸
Posted by水瀬洸

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply