また間があいて…
すみませんー。

あ、明日には何かしら公表出来るようにあるものを準備しています。
良かったら覗きにやってくださいまし。

というわけで恒例のしょーとしょーとですっ



ss20160821.txt

「わたしを殺すの?」
少女は不敵に笑った。
彼女の細い首に僕の手が掛けられている。
このまま力を入れれば、少女は死ぬ。窒息という、この上ない苦痛の中で、僕の手の中で尽き果てる。
殺すつもりなんてなかった。僕は彼女のことを愛していた。ずっとずっと、好きだった。あの日までは。
塾の帰りが遅くなって、深夜の歓楽街を歩いているとき、少女は見知らぬ男と仲睦まじく腕を組んでホテルの中に入っていった。
援助交際。そんな四文字が僕の頭を過ぎった。
信じていたのに。純粋だと思っていたのに。現実はあまりに酷くて、僕の胸を締め付けた。
訳のわからない怒りと、絶望と、涙で僕の心は支配された。
「わたしを殺すの?」
少女が重ねて言う。やはりその顔には笑みが乗せられていて、僕にそんなことは出来ないと侮っているのか、死が怖くないのか、僕のことを憐れんでいるのか、まったくわからない。
「いいわよ、殺しても」
静かに彼女が瞳を閉じる。
まるでキスを待っているかのような仕草に、僕の胸は一段と早く大きく鼓動した。
そして僕は――彼女の唇に自分のソレを押し当てた。
少女はびっくりした様子で目を見開く。だけどそれも一瞬で、すぐに笑みに変わる。
――ああ、僕のことを憐れんでいるのだ。
涙が一筋流れた。
僕はそれを拭うことなく――彼女の細い首に掛けた手に力を込めた。
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水瀬洸
Posted by水瀬洸

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